
「夫の転勤があるから、仕事を続けるのは難しい」──そう感じたことはありませんか?
転勤族の妻にとって、引っ越しのたびに仕事を探し直したり、キャリアを中断せざるを得なかったりと、働き続けることには多くのハードルがあります。
しかし最近は、リモートワークも珍しくなくなり、場所に縛られずに働く女性が増えています。
私自身も、転勤族の妻として8年間、転勤や出産・育児を挟みながら、在宅で仕事を続けてきました。
この記事では、転勤族の妻が仕事を続けるために工夫したことや、リモートワークでキャリアをつないできた実例を紹介します。
どこに住んでいても、自分のペースで働き続けたい──そんな方のヒントになれば嬉しいです。

ライター/仕組みづくりアドバイザー。信託銀行を経て、フリーのWebライターとして活動を開始。現在は、書く仕事とあわせて「人にやさしい仕組みづくり」をテーマに、暮らしや組織が心地よく回るようサポートを行っています。

「パートナーが転勤族だから、仕事は難しいよね…」
そう思って、働くことを諦めている転勤族の妻は多いはず。
転勤族の妻が仕事を続けるのが難しい理由は、主に以下の2つがあります。
1. 転勤による生活環境の変化で、仕事を継続するのが難しい…
転勤により居住地が変わることで、通勤が困難になったり、勤務先の環境が変わったりするケースが多く、転職や退職を余儀なくされることがあります。
総務省の調査でも、転勤に伴う妻の就業中断は多くの家庭で見られ、特に子育て期の妻に影響が大きいことが分かっています。
全国各地に支店があるなど、会社がパートナーの転勤に融通を利かせてくれる場合もありますが、転勤先の支店に空きがない場合など、勤務地変更が難しい場合もあるようです。
2. 出産・育児とキャリアの両立が難しい…
転勤族に限らず、子どもが生まれると仕事の時間確保が難しくなりがち。
幼いうちは体調不良も頻発しますが、転勤族の場合は実家が遠方の場合も多く、家庭を最優先に考えて渋々退職…ということも。
また、都心部だと保育園に入ることが難しく、「仕事がしたいけれど、子どもの預け先がないから採用されない」という状況になりかねません。
転勤に加えて子どもの預け先もないとなると、仕事を見つけるのが難しく、働くことを諦める方も多いようです。

転勤族の妻だからといって、仕事を諦めなくても大丈夫!
暮らしに合わせて働き方を調整すれば、転勤族の妻でも仕事を続けられます。
ここでは私がこれまで意識してきた、「転勤しながら仕事を続けるための工夫」を8つ紹介します。
働き方の選ぶさいのヒントにしてもらえたら嬉しいです。
1. リモートの仕事を選ぶ
転勤族の妻のキャリア形成で、もっとも課題となるのが「パートナーの転勤」。
数年おきに引越しがあることを前提としてキャリアを築くために、私はフルリモートでの働き方を選択しています。
というのも、リモートワークだとPCがあれば仕事ができるので、全国どこからでも仕事が可能!
勤務地が変わっても続けられる上に、稼働時間や仕事量の調整もしやすいので、家庭と両立しながら仕事を続けられています。
2. 隙間時間を活用する
子育て中はまとまった時間を作るのがなかなか難しいもの。
とはいえ保育園に預けたくても、地域によっては待機児童数が多くて難しい…というのが現実です。
子育てと仕事を両立するためには、「隙間時間に仕事をする」スタイルがおすすめ。
たとえば、
- 早朝に起きて子どもが起きるまでの1時間で仕事をする
- 子どもの昼寝中にメールを返信する
- 子どもが寝たあと30分だけ作業する
など、ちょっとした隙間時間をうまく使えるようになると、まとまった時間がなくても仕事ができます。
もちろん時間をしっかり確保できる人と比べれば出来ることは少ないですが、まったくやらないよりも少しでもやったほうが身になるもの。
リモートの場合は働く時間に融通が利く場合が多いので、自分の気持ちや家庭の状況に合わせてボリュームを調整しながら、少しずつ実績を増やしていきましょう。
3. 収入よりも「実績」を優先する
未経験で仕事をスタートするなら、長い目でキャリアを考えるのがおすすめ。
最初のうちは単価が低い案件しか受けられず、「これだけ時間をかけてこの金額…?」とがっかりすることも少なくありません。
特に、最初のうちは取引先とのやり取りや案件探しにも慣れず、ストレスに感じることも。
ただ、チャレンジしてみなければ、実績も知識も増えていきません。
まずは収入よりも実績を重視し、信頼を積み上げていきましょう。
色々なお仕事を経験するうちに、案件の探し方や選び方、自分の強みやアピールポイント、出来る・出来ないことが見えてきますよ。
4. 小さなことからスタートする
実は、リモートワークに興味があっても始められない方の共通点がひとつあります。
それは、案件に応募しないこと。
「当たり前でしょ」と思うかもしれませんが、リモートワークを始めるための勉強をしていても、いざ案件に応募するのは躊躇してしまう…という方が、意外と多いんです。
しっかり準備をすることも大事ですが、実際にやってみないと分からないこともたくさんあります。
最初は無理だと思っていても、やっていくうちに知識や経験が増え、気づけば出来ることが増えた…なんてことも多いもの。
「まずは1つだけやってみる」くらいの気持ちで、勇気を出してチャレンジしていきましょう。
5. 他の人と比べない
転勤族や育児中の働き方は個人差が大きいもの。他人と比べず、自分に合った働き方を選ぶことが継続のポイントです。
SNSを見ると、月収や経歴、スキルなど、自分よりすごい人ばかりで、「私じゃやっていけないんじゃないか…」と落ちこむことも。
でも、目の前の仕事や人と誠実に向き合っていれば大丈夫!
すごいことができなくても、うまくいかなくても、真剣に取り組んでいれば人から信頼してもらえます。
人と比べず、自分に出来ることを1つずつやっていきましょう。

未経験からWebライターとして働き始めた私ですが、経験を積むうちに、任せていただける業務範囲が広がっていきました。
1. インタビュー記事の執筆
初期は主にコラム記事やSEO記事を執筆していましたが、数年前からインタビュー記事の執筆も行っています。
最初は「私に出来るかな…」と緊張と不安でいっぱいでしたが、回数を重ねるうちに「次はこうしよう」「こうした方がもっとよくなるかも」と前向きに取り組めるようになりました。
インタビュー対象者は美容コンテスト入賞者や企業経営者など様々。
お話を聞きつつ「この方はどんな人なんだろう?」と想像を膨らませながら、その人の強みや長所が読者に伝わるように心がけています。
2. ライターからディレクターアシスタントへ
Webライターとしての活動を経て、Webメディア運営会社のディレクターアシスタントに採用。
記事の検索順位のチェックやキーワード調査、記事執筆のための情報収集など、アシスタント業務全般に取り組みました。
実際に書かなくとも、事前の資料作りや調査は記事のクオリティに関わります。
「何を目的とした記事か」「どういう情報が求められているか」を考えたり、確認したりして作業を進めた結果、ディレクターさんから「すごく仕事がしやすくて助かってます」と言っていただけるようになりました。
3 . BtoBのメール対応も!テンプレート作りで効率化
ライターとして培った文章力やコミュニケーション力は、ほかの業務でも活かせます。
たとえば、メール対応。「相手に伝わるように書ける」という強みは、法人相手のメール対応にも応用できました。
メール文面はchatGDPを使って精査し、相手にとって分かりやすいか第三者目線でチェック。
また、よく使うやり取りはテンプレートを作成し、すぐに返信を返せるように工夫していました。
4 . マニュアル作成などの業務改善も
「相手にわかりやすく伝える」という方法は、マニュアル作成にも応用可能。
メール対応のチーム管理を任されたさいには、Notionを使ってマニュアルを作成。
専門用語は使わず、なるべくシンプルな表現を心がけ、知識が浅い人でも問題なく業務を行えるように心がけていました。
また、作業フローも定期的に見直し、業務の流れが滞らないように意識。
つまづきやすいポイントはチーム内で共有&マニュアル追記することで、事前にトラブルを防げるようにしていました。
これから:「人にやさしい仕組みづくり」をテーマにした組織・家庭の仕組みづくり
現在は「人にやさしい仕組みづくり」をテーマに、家庭や組織の仕組みづくりに関する発信を行っています。
小さな一歩から始めた私のキャリアですが、細々とでも続けていくうちにできることが増え、任せていただける仕事量も範囲も広がっていきました。
これまでのキャリアで学んだのは、「経験やスキルよりも、任された仕事に精一杯取り組む姿勢が大事」ということ。
返事はなるべく早く出す、マニュアルや注意事項をしっかり読み込む、感謝の言葉を伝える…など、小さな誠実さを積み重ねることが信頼へつながるんだなと、身をもって学ぶことができました。

転勤族の妻であっても、働き方を工夫することで、仕事を続けることができます。
私も働き始める前は「私に出来るのかな…」と不安でいっぱいでした。
でも、今となってはあの時に仕事を諦めなくて良かったと心から思っています。
小さなことから始めて、自分らしいキャリアを切り開いていきましょう!
