「すごい良いクセですね〜」
先日、YouTubeから聞こえてきた女性のやさしい言葉にハッとしました。
観ていたのは『くせ毛カット美容室』という、くせ毛カットをメインとしたサロンが公開しているYouTubeの動画で、そこにはくせやうねりに悩む女性たちが次々と登場します。
サロンワークをそのまま撮影・配信しているらしく、動画はいつも丁寧なカウンセリングからスタートするんですが、お客さんから出てくるお悩みに共感しっぱなしで。
「広がりやすくて、周りからボサボサだと言われてきた」
「こうしてほしいと伝えても、髪質を理由に断られた」
「どこに行っても髪型が決まらない。でも、自分の髪質のせいだと諦めた」
そうそう、そうなのよ。
彼女たちの言葉に、胸がギュッと締め付けられました。なんてったって私も物心ついたころから髪の広がりやくせに悩まされていた一人なのですから。
くせ毛・多毛・剛毛と3拍子揃った私の髪は、昔から美容師さん泣かせの扱いづらさで。
短く切ればキノコのように頭が膨らみ、伸ばしたら伸ばしたでダースベイダーのような四角いフォルムになってしまう……。
さらにプールを習っていた影響か髪が脱色しやすく、母親からも「ヤンキーみたい」とよく言われておりました。
だから、生まれて初めて縮毛矯正をかけたときにはあまりのさらさら具合に衝撃で。周りからも「可愛くなったね」「そっちの方がいいよ」と驚くくらい褒められました。
髪が変わると印象も変わるんだ。そう気づいてからは、私のなかで縮毛矯正はなくてはならないものになっていきました。
でも、年齢を重ねながら日々のケアやヘアセットを試行錯誤しているうち、ふと「縮毛矯正って本当にいるのかな?」と疑問に思うようになったんです。
今のケアでもある程度くせは抑えられているし、まとまりもある。それならわざわざ縮毛矯正しなくても、地毛のままでいけるんじゃない?
そう思ったら試してみたくなって、限界だと思うまで縮毛矯正をやめてみることにしたのです。
そこから約1年。この1年で髪も15㎝ほど伸び、根本を中心にうねりが気になるようになってきました。
1/3は地毛、残りの2/3は縮毛矯正がかかっているという状態。2つの毛が混じり合っているせいかヘアセットが難しくなり、梅雨を前にやっぱり縮毛矯正をかけた方がいいかもと思い出したその時に、この『くせ毛カット美容室』を発見したのです。
くせはその人の個性。どんなくせでも活かせる。
そのYouTubeで何度も繰り返されるその言葉の通り、来店した女性たちはみるみる素敵なヘアスタイルへと変身していきます。
どんよりと申し訳なさそうな表情を浮かべていたお客さんが、カットの後にはパァッと晴れやかな表情に変わる。その様子がまるで魔法のようで、見ているだけで温かな気持ちになれました。
私のくせも活かせるのかな?そう思って、動画で学んだ「お風呂上がりにクリームとオイルを髪に揉み込む」「ドライヤーは乾かさず自然乾燥させる」というヘアセット方法を試してみたら、思った以上に髪がまとまったんです。
これまでは髪を乾かすだけで20分はかかっていたのに。
こんなに楽に髪がまとまるのならもっと早く知りたかったと、心からそう感じました。
そうして、ふと思ったんです。コンプレックスは隠すよりも活かす方法を考えた方がよっぽど楽なんだなぁと。
自分のいやな部分ってどうしても隠したくなるし、ネガティブな感情で見てしまいます。
でも、それも私の個性だと思って受け入れて、活かすにはどうしたらいいかと考えていけば、もしかしたら自分のチャームポイントにできるかもしれない。
そう思うとなんだかワクワクしてきて、うねりやすい髪もいいもののように感じてきました。
物事をどう捉えるかは自分次第。「こうなったらいいのに」じゃなく、ありのままの自分をどう活かすかを考えていきたいなと思います。